例えば、次のようなわり算を考えましょう。
6 ÷ 0 =
この答えは、「ありません」。0ではわり算ができないのです。これについて、ちゃんと考えてみましょう。
わり算を考えよう
ではまず、わり算とはなんなのかを考えましょう。次の問題を考えます。
6このリンゴがあります。2人にこれを同じ数だけ分けるには、何こずつわけたらよいでしょう
このような問題の時にわり算が使えますね? このときは、次の式になります。
6 ÷ 2 = 3(こずつ)
となります。では、次の問題はどうでしょう?
6このリンゴがあります。0人にこれを同じ数だけわけるには、何こずつわけたらよいでしょう
6個のリンゴはあるのですが、わける人がいません。わける人がいないので、「何こずつ」といわれても答えようがないですよね。誰ともわけないなら6個ぜんぶをわけられるとも言えますし、誰もいないならわけない、0こでもいいわけです。このように、0でのわり算は「答えが出せない」のです。
かけ算で考えよう
ちがう方法で考えてみましょう。わり算は、四角算でかけ算に変えることができます。
6 ÷ 2 = □
↓
□ × 2 = 6
同じく、0のわり算もかけ算に変えてみましょう。
6 ÷ 0 = □
↓
□ × 0 = 6
となります。しかし、0のかけ算のルールを覚えていますか? 0のかけ算は答えが必ず0になります。
1 × 0 = 0
2 × 0 = 0
3 × 0 = 0
...
つまり、0をかけて6になるという数字は「ありません」。だから、0でわり算した答えも「ありません」。
こんな風に、0でのわり算には特別なルールがあるというわけです。