「マイクロプラスチック」について知ろうとしてくれて、ありがとう!
大事なことに注目してくれる人がいて、とってもうれしいです!
少し長いけれど、小学生の人にもわかるよう、なるべくわかりやすく説明していくね。
マイクロプラスチックとは
まず言葉の説明をすると、「マイクロ」とは、「とっても小さい」という意味。つまり、「マイクロプラスチック」とは、「5mmより小さいプラスチック」のことをいう。
プラスチックとは、石油からつくられる素材。安くて、軽くて、いろんな形にしやすく、酸素や水分を通しにくいので、ありとあらゆるものに使われている。
くらしの中のプラスチック
じゃあここで、イラストを見てみよう。
よくある小学生の持ち物だね。この中で、プラスチックでできていそうなものはどれだろう?
- じょうぎ
- ペンケース
- 消しゴム
- おべんとう箱
- おはし
- ボール
- 歯ブラシ/コップ
…うんうん。見回すと、本当にたくさんあるね。見回さなくとも、着ている服のボタンもプラスチックじゃないかな。シャツ、ズボン、パジャマなど、服の内がわにあるラベルもチェックしてみよう。
ラベルに「ポリエステル」「ポリウレタン」「ナイロン」「ウレタン」などとプリントされていれば、それはプラスチックのなかまだ。
今このページを見ているパソコンやスマホもプラスチックが使われているよ。
世界でも、プラスチックでできたものがまったくない家は、ほとんどないと思う。それだけ、世の中のすみずみまで行きわたっている素材なんだ。
プラスチックの歴史ーあっという間に広まった
でも、江戸時代とか明治時代の日本にもプラスチックがあったかというと、そんなかんじではないよね。
昔の日本のものは木や竹・紙・土、服には綿や麻、羊毛といった天然素材が使われていたけれど、これらを手に入れてものをつくるには、時間や手間がかかる。
だから「早く、安く、たくさん作れたら、多くの人が助かる」と当時の人々は考えた。そして研究がつづけられ、1910年にアメリカの化学者ベークランドさんが自然界にないものから「ベークライト」というプラスチックのなかまを発明した。
その後もさまざまな化学者や会社が自然界にないものを組み合わせてつくった素材を次々に生み出して、1960年ごろから世界はプラスチックを使って「たくさんつくって、たくさん使いすてる」時代になっていった。
それまでは天然素材で時間をかけて作っていたもの…たとえば竹などの植物をあんで作ったかごはプラスチックのかごに。ガラスのびんややきもののコップはプラスチックのびん・コップに。綿や麻、羊毛の服はポリエステルやポリウレタン、アクリル、ナイロンなどの服になっていった。安く早く、一度にたくさん作れるから、あっという間に世界中に広まった。
そして、長く使うための道具や服のほかのものにも、たとえば食べものを包むのにも使われるようになった。
ペットボトルが登場すると、そのべんりさゆえにドッカーンと広がり、世界で毎年数十億本のペットボトルが作られてはすぐに捨てられている。
今、世界中のプラスチックでできたものの40%が「包装」に使われ、「使い捨て」されているんだ。そして日本は、一人あたりのプラスチックの入れもの・包装が捨てられる量は年間だいたい70キロ、世界ではアメリカの次で、よくないランキング第2位なんだって…。あわわ…。
プラスチックはどうしてマイクロプラスチックになるの?
たとえば、学校から家まで。家から、お出かけ先までの間で、道や空き地などにごみ…タバコのすいがらやおかしの包装やペットボトル、レジぶくろが捨てられているのを見たことがない、という人はほとんどいないだろう。
それらのプラスチックごみは、太陽の光や風にさらされるうちにボロボロにくだけて小さくなることはあっても、少なくともきみたちが生きている間は自然にかえったり、なくなったりはしない。
そのうち風でとんだり、雨で流されて川にたどり着き、やがて海に流れこむ。
(その重さは2019年で、世界で毎年だいたい800万トンとも言われている。800万トンとは、東京スカイツリーでいうとだいたい222本分、体重35キロの小学生でいうと2億2千万人分だって!ひゃあ~…)
捨てられた場所や川や海で、鳥や魚といった動物たちは、うっかりえさとまちがえてプラスチックごみをぱくっと飲み込む。おなかの中ではプラスチックは消化されないから、運がよければそのままフンの中にそのまま出てくるけれど、運が悪ければおなかのなかでプラスチックがつまって死んでしまったりする。漁業やつりで川や海に捨てられたプラスチックのアミやつり糸にからまって動けなくなって弱って死んでしまう鳥や魚、カメなどもたくさんいる。
動物たちのフンや動物の死がいはしばらくたつと自然にかえるけれど、動物たちのおなかの中にたまったり、体にからまったプラスチックは、動物が死んでもまだまだ自然にはかえらない。動物とふれ合ったプラスチックも、ふれ合わなかったプラスチックも、どちらも何年も太陽にさらされ、波にただよううちにより細かくなっていき、目に見えないほど小さな「マイクロプラスチック」となってしまうんだ。
(ちなみに、1まいのレジぶくろが海に流れると、数千個から150万個より多くの「マイクロプラスチック」が生まれるといわれている。)
マイクロプラスチックは何が悪いの?
「マイクロプラスチックがどれだけたくさんに海にただよっても、たしかに気分はよくないけれど、ぼく・わたしのくらしには関係ないんじゃない?」と思う人もいるかもしれない。たしかに「見ないふり」をすれば、関係がないようにも思う。
でも、マイクロプラスチックがやっかいなところは、「気分」の問題ではすまないところ。
プラスチックは石油にさまざまな薬品をまぜて作られたもので、水中にある有害な(=生き物にとってわるいはたらきをする)化学物質がどんどん引きよせていくはたらきがある。つまり、海をただよううちに、数えきれないほどたくさんの「有害物質をたっぷりくっつけたまま」のマイクロプラスチックになっていく。
そして、小さくくだけるほどに、小さな生き物の口にも入って有害物質をくっつけたままその生き物の体に取りこまれて行く。すると、その小さな生き物を食べるもう少し大きな生き物も、それより大きな生き物も、生きているかぎり、有害物質がくっついたマイクロプラスチックが、その体に入ってしまうことになる。もちろん、魚や貝を食べることで、人間の体にも入ってくる。
今のところ、マイクロプラスチックのせいで人間が病気になったという話はないけれど、このままどんどん海にマイクロプラスチックがふえる一方だったら…?少なくとも、体にいいことはなさそうだ。
そして世界中の海に広がったマイクロプラスチックは、細かすぎて、多すぎて、アミなんかでは集められない。ざんねんながら今あるしくみでは、すべて集めきることはできないといわれているんだ。
分別すればOK?収集されたプラスチックごみのゆくえ
この記事を読んでいる人なら、「プラスチックのごみはきちんとプラスチックごみの日に出しているよ」という人が多いかもしれないね。もちろんゴミ出しのときに分別するのはとっても大切なことだ。
だけど、収集されたプラスチックごみが、そのあとどうなっているかは知っているかな?
収集されたプラスチックごみは
- リサイクルする
- もやす
- うめ立てる
の3つどれかに回されていく。ひとつずつ説明していくね。
1)リサイクルする
日本のプラスチックごみは「大部分がリサイクルされている」と言われているんだけれど、じつはリサイクルには種類がある。
①マテリアルリサイクル…とかしてもう一度使う
②ケミカルリサイクル…化学処理で分解して使う
③サーマルリサイクル…もやしてエネルギーとして使う
①や②が、みんなのイメージしていた「リサイクル」じゃないかな。でも、日本で①と②で処理されているのは、プラごみとして収集されたうちの30%にもならない。
さらに①のマテリアルリサイクルは、どうしても少しは有害物質が発生してしまったり、②のケミカルリサイクルはとても手間がかかってむずかしく、お金もたくさんかかる。そして何より、①②でリサイクルされて作られるものは、手ぶくろやワイシャツ、ペンといったプラスチックもの。つまり、プラスチックのものとして生まれかわっては、またしばらくしたら捨てられていくというくり返しなんだ…。
また、③のサーマルリサイクルは、発電に使ったり、温水プールや浴場のお湯を温めたりするエネルギーとして使われているということ。でもさ、「もやす」ってそもそもリサイクルって言えるんだろうか?(ヨーロッパなどの海外では、これはリサイクルではない、としている国も多い。)
2)もやす
1)のリサイクルにまわらなかったものは、もやしてしまう。でも、プラスチックは石油でできていることもあって、もやせばもやすほど、二酸化炭素がふえて、地球の温暖化*につながってしまう。そして、安全とは言われているものの、体によくない物質がすこしのこってしまうおそれもある。
*地球全体の気温が上がっていくこと。このまま上がっていくと、人間を含めた動物や、植物がこれまでのように生きていけなくなると言われている。
3)うめ立てる
もやせないプラスチックや、もえのこったプラスチックは、他のもえないごみ、もえのこりとともにごみ処理場から全国に1500ほどある「最終処分場」に送られていく。「最終処分場」は人があまり住んでいない山おくやうめたて地であることが多く、そこにごみがうめたてられていく。
きょうみがあれば、きみの住んでいるまちから出るごみの「最終処分場」はどこにあって、あと何年くらいもつのか調べてみよう。日本の多くの「最終処分場」はあと10年から30年くらいでいっぱいになってしまうといわれている。
‥‥え?そうしたら、ごみは今よりもっと、そのあたりにぽいっと捨てられて、けっきょくは海に流れついてマイクロプラスチックになってしまうかもしれないってこと…?
つまり、木や竹など自然にあるもので作られたものは、くされば自然にかえっていくけれど、プラスチックのものはこなごなになることはあっても、自然にかえっていくことはなく、作られれば作られるほどごみになってたまっていく一方で、それは人間をふくむ生物全体に有害であるということなんだ…。
ぼくたち・わたしたちにできること:3RといろいろなR
どうにかしなくちゃ!と、多くの人が考えて、いろんなアクションがよびかけられている。ごみ問題でよく使われる「3R」は聞いたことがあるかな。
- リサイクル(Recycle)「再生利用する」
- リユース(Reuse)「再利用する」
- リデュース(Reduce)「へらす」
リサイクル(Recycle)
使い終わったものをくだいたりとかしたり、薬品などで処理して何かの原材料にしたり、一部を使って再生させることをいう。
ただ、ごみになるよりはリサイクルできるのがいいけれど、あるものをほかのものに作りかえるには、エネルギーがいるってことに注意だ。
つまり、ペットボトルのキャップを集めてリサイクルするのもいいけれど、そもそもペットボトルを使わないことのほうが大切なんだってこと。
リユース(Reuse)
同じものをくり返し使うこと。新品をお店やネットで買うのではなく、フリーマーケットやバザー、リユースショップなどで必要なものを手に入れて使うことをいう。
*物を買うときに、なんでもかんでも新品をえらぶと、プラスチックを使ってものを作る会社は「新品を作れば作るほど売れるなら、もっと作って売ろう!」と考えるけれど、みんなが新品じゃないものを買い、大切に使うことで、会社に「新しいものを作ってもそこまで売れないなら、作らないほうがいいのかな?」と感じてもらえるかもしれないね。
リデュース(Reduce)
ごみをへらすこと。プラスチック問題でいうと、
- プラスチックボトルのハンドソープではなく、固形のせっけんをえらぶ
- ペットボトルの飲みものを買わずに、マイボトルに飲みものを入れて持ち歩く
- 食べものにラップを使わず、「みつろうラップ」や密閉容器を使う
- 野菜や果物を買うとき、ビニールに入ったまとめ売りではなく、ばら売りをえらぶ
など、プラスチックが使われていないものをえらぶこと。
「リサイクル」よりも、「新品を買わない」「プラスチックのものをえらばない」ということがじつはいちばんたいせつなんだね。
そのほかに、よく言われる「R」にはこんなものがあるよ。
リフューズ(Refuse)「ことわる」
お店の人に「プラスチックのものはいりません」ということ。リジェクト(Reject)ということもあるよ。
- お店で飲みものをたのんだ時に「ストローはいりません」という
- おまけでもらえるプラスチックのおもちゃは「いりません」という
- 買い物のとき、マイバッグや密閉(みっぺい)容器(ようき)を使い、プラスチックのふくろ・入れものを受け取らない
多くの人が「いりません」とことわることで、お店の人に「あれ、プラスチックは人気がないな、べつのやりかたにしようかな」と思ってもらえるかもしれないよ。
リペア(Repair)「直す」
こわれたりやぶれたりしても、すててしまうのではなく、直して少しでも長く使うこと。
レンタル(Rental)「借りる」
むやみに新しいものを買うのではなく、何度も使わないものなら借りてすませる。
リストア(Restore)「元にもどす」
ちらかった環境を元にもどすこと。まちなかや川・海辺のクリーンキャンペーンに参加してもいいし、学校に行くとちゅうでごみひろいをしたりもいいね。
プラスチックでも、たいせつに使えばいいのでは?
ものをたいせつにする人なら、「プラスチックのものでも、できるだけ長く使えばごみはふえないのでは?」と思うかもしれない。
ただ、こういう問題があることも知っておこう。
合成繊維の服は、洗濯・乾燥するたびにマイクロプラスチックが流れ出す
ポリエステル・ナイロン・アクリルといったプラスチックのなかまである合成繊維は、軽くてかわきやすく、安い。だけど、これらの繊維(せんい)は、洗濯(せんたく)・乾燥(かんそう)するたびにこすれてすり切れ、「マイクロファイバー」とよばれるマイクロプラスチックになって、下水道に入り、下水処理(しょり)場をすりぬけ、川や海に流れ出てしまう。
1回の洗濯で70万から120万のマイクロファイバーが放出されているとも言われている。
アクリルなどの合成繊維生地で作られた服を買わないことがいちばんいいんだけれど、自然素材の服は合成繊維素材のものより高いことが多いのがむずかしいところ…。
全部を新品の自然素材に切りかえることがむずかしくても、リユースのショップで服やくつを買うなども意味のあることだ。
(自然素材の服だけでなく、中古の合成繊維の服も、新品よりはマイクロファイバーが放出されにくいと言われているよ。)
プラスチックものをいま「ごみ」に出さなくても、いつかは出てしまう
「プラスチックものでも、一度手に入れたらずっと使うからいいよね」と思うかもしれないけれど、いつか使わなくなったり、こわれてしまったりする日が来たら、やっぱりプラスチックごみになってしまう。
そして、考えたくはないけれど大きな災害が起こってしまったときはどうだろう。津波が来れば、ごっそり海に流されてしまう。津波が来なくても、大地震や洪水が起こると、多くの家からたくさんのがれきとプラスチックものが「災害ごみ」として出てくる。これらの災害ごみは、たくさんありすぎるので、処分場に回される。
まちの処分場で入りきらない災害ごみは、さまざまなところの業者にお金をはらって引き取ってもらうことになる。ほとんどの業者はちゃんと処理するのだろうけれど、なかには「もうかるから」という理由でいいかげんな処理をする業者もいないともかぎらない…。
じっさいに、1995年の阪神・淡路大震災で出てきた震災ごみをひきとったある地方の業者は、決められたやり方できちんとごみの処理をしなかった。てきとうにもやしてくさーいニオイや、ハエ、すすけむりだけでなく「ダイオキシン」という猛毒まで発生させてしまった。おかげでその処理場のまわりの住民は、何年もの間、息をするのもしんどい人も出てしまい、今もその処理をしていた場所は人がすめないし、作物もつくれない。
災害が多いのに国土がかぎられている日本では、こんなこともひとごとにはできないんだ…。
ちょっとコワい話がつづいてしまってごめんね。だけど、知らないことには何もよくならないから、どうかもうちょっとだけ読んでほしい。
きみたちは「どうして問題だとわかってるのに、大人はプラスチックをつくることをやめられないの?」と思うかもしれない。どうしてかをものすごーくカンタンにいうと、プラスチックをやめることは、めんどくさくて、(お金の面で)トクにならないことが多いからだ。
みんなも、「めんどくさいな」「安いとうれしいな」と思うことはあるよね。ざんねんながら、大人の多くも、頭ではわかっていても、めんどうなことはやっぱりめんどうだし、ソンをしたくない。
だけど、みんながそんなふうに後回しにしているうちに、いずれごみの最終処分場はいっぱいになるし、海の生き物たちは体にわるいものをどんどんためこんでいく。見て見ぬふりをつづけても、なにもよくならない。だから、気づいた人が今から始めるしかないんだ!
それに、プラスチックをへらすためにがんばっている人もふえてきているよ。下に一部だけど紹介するので、チェックしてみてね。
プラスチックごみをなくすためにがんばっている人もたくさんいる!
プラスチックフリーやプラなし生活をテーマに活動するYouTuber(ユーチューバー)
プラスチックを使わないことをよびかけるYouTuber(ユーチューバー)などもふえてきているよ。
見てみて気に入ったら、フォローしたり「いいね」で応援しよう!
https://www.youtube.com/@RICEMEDIA/
プラスチックをへらしている会社の取り組み
プラスチックをへらそうと取り組んでいる会社もどんどんふえてきているよ。でも、人気がなければやめてしまうかもしれないので、できるときだけでもいいのでえらんでみよう。
ーすかいらーく
2018年から使い捨てプラスチックをへらそうとがんばっている。
ー無印良品
2019年から、商品をつるすのに使うフックや包装をプラスチックから自然素材に切りかえている。
ーナチュラルローソン
シャンプーや洗剤のはかり売りをしている。(東京の一部のお店のみ)
・プラスチックフリーのお店やエコストア
商品にも包装にもプラスチックを使わないお店は、日本にもいくつかある。地方にはまだ少ないけれど、「(自分の住んでいる都道府県や市町村の名前) プラスチックフリー(またはエコストア) 店」で検索して、近くにあれば行ってみよう。
「プラスチック・フリー・ジュライ」(プラスチックを使わない7月)
オーストラリアで始まった、「7月はプラスチックを使わない生活をしてみよう」という1か月間のチャレンジ。2021年は世界190カ国からだいたい1億4000万人がチャレンジしたと言われているよ。
きょうみがあれば、英語ができる大人といっしょに申しこんでみよう。
ごみ拾いなどのボランティア・団体活動
きみの住んでいるところにも、たいてい「環境美化」や「環境保全」など(環境をよくすること)をめざしてごみ拾いをしている団体があるはず。プラスチックだけじゃないかもしれないけれど、まちで出たごみを拾えば川や海にそのまま流れることはない。全国的なごみ拾い団体だと「グリーン・バード」という団体もあるよ。
プラスチックごみを集める機械をおく
オーストラリアでつくられた「Seabin」(シービン)という海洋プラスチックごみ回収装置をおく港も少しずつふえている。神奈川の湘南港や、浦賀ポートパークなどにおかれている。
ここまで読んだら、きみも何ができるかを考えてみよう。「3R」やそのほかのRをがんばるのはもちろん、一人じゃなくてみんなで取り組むともっと効果がある。
プラスチック問題、マイクロプラスチック問題をみんなで知ろう
きみ一人だけが「やばい!」と思って急にアクションをよびかけても、まわりの人は「あいつ、きゅうにどうしたんだ?」と思ってしまう。でも、この問題をみんなで知ることから始めると、その後のアクションをみんなで取り組みやすいよ。
プラスチック問題を知ることのできる情報を、友だちや先生にシェアしてみよう。
映画
みんなで映画を見るのも効果的だ。
・『マイクロプラスチック ・ストーリー 〜ぼくらが作る2050年〜』
ニューヨーク市の5年生たちが汚染問題を解決するべく、自分たちの住んでいるところからアクションを広げて行く2年間を追ったドキュメンタリー。
・『プラスチックの海』
プラスチックゴミによる海洋汚染のホントのところとは?そしてプラスチックが海に、プランクトンに、クジラに、海鳥に、人の体にどんなに悪いかを教えてくれるドキュメンタリー。日本語バージョンは、22分の短いバージョンもあり、小学生にもわかりやすい。
学校の先生やまわりの大人には、「映画をみんなで見るためのお金がない」と言うかもしれない。でも、あきらめないで。そんなときは、住んでいるまちや都道府県に環境問題について取り組んでいる市民団体がないか調べてみよう。
住んでいるまちに、社会の問題にきょうみがある人をつないでくれる「市民活動支援センター」などがある場合はそこに問い合わせてみると、環境問題に取り組んでいる団体などを紹介してもらえて、いっしょにアイデアを出したり、アクションができるかもしれない。
ごみ処理場を見学し、話を聞く
きみたちの住んでいるまちのごみ処理場に見学に行き、話を聞くのもとてもおすすめだ。じっさいに毎日運びこまれるごみの量を目にすると、大人だってびっくりすると思う。
処理場ではたらいている人たちの話を聞いて、いっしょにどうすればいいかも考えてみよう。
きみの住んでいるところでも、きっとできる!なかまを見つけてはたらきかけよう
きみが一人ぼっちで取り組むより、ひとりでも多くの人が同じ気持ちでプラスチックをへらすことに取り組んだ方が効果は大きい。何をするかも、みんなで何ができるかを考えて、みんなで決めるといい。
たとえばこんなこともできるという例を紹介するね。
学校の給食からプラスチックをへらす
神奈川県山内小学校の5年生は、ひとつひとつのパンのビニールぶくろをなくしたときのプラスチックの重さを計算し、横浜市の市長と教育長あてにパンのビニールぶくろをやめてくださいとおねがいする手紙を渡したよ。
参考:プラスチック包装 給食から削減訴え 横浜の小学生ら市に要望書/東京新聞
また、茨城県の古河第一小学校では、給食に出てくる牛乳をプラスチックストローなしで飲めるパックに切りかえた。ストロー1本あたり減らせるプラスチックは0.5グラムぐらいだけれど、学校のみんなが毎日の給食で毎回やれば、すごく大きな効果がある。
参考:給食の牛乳で目指せ!”脱プラ”/NHK
おいわいの時にとばす風船
入学式や卒業式などのセレモニーで風船をとばすことがある。
いっせいにみんなでとばすときはきれいだけれど、とばした後は別のまちや海に飛んでいく。プラスチックならいずれマイクロプラスチックとなってしまう。
そこで、風船やひもの部分がプラスチックでないものを使うつもりか、またはべつのおいわいのやりかたができないかを話し合ってみよう。
イベントの食べ物の入れ物は、使い捨てプラスチックを使わない
楽しい夏祭りや学校行事。そのときに出されるかき氷ややきそばといった食べ物は、使い捨て容器が使われていないかな? 毎年、何百人もの人が一度だけ使ってすててしまうよりは、リユース食器・リターナブル食器*という何度も使う食器に切り替える方法もある。
*リターナブル食器とは再使用するためにかえすことができる食器のこと。デポジットといって、使った後の食器を返すとお金が少しかえってくるやりかたのこともあるよ。
手間はかかるけれど「ぼくたち・わたしたちのイベントは環境にやさしいよ」と思えることは、学校のじまんにもなるかもしれないね。
参考:イベントやお祭りからごみをなくそう! リユース食器ネットワーク
ちなみに、愛知県の丸繁製菓という会社は、「食べられる容器」を販売している。環境にやさしく、おなかもいっぱいになって一石二鳥!?
ほかにもいろんなアクションが考えられるよ。ぜひ、まわりの人といっしょに考えて、プラスチックをへらすアクションを少しでもいいので起こしてみてね。
参考書籍
- 「こども環境学」/新星出版社
- 「地球が危ない!プラスチックごみ1~3」/汐文社
- 「プラスチック・スープの地球 汚染される「水の惑星」/ポプラ社
- 「イチからつくるプラスチック」/農文協
- 「高濃度ダイオキシンに克つ」/ぎょうせい
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