漫才のルーツは、新年に家の繁栄や長寿をお祈りして、おめでたい言葉で歌をうたう千秋万歳という伝統芸能といわれているよ。
2人1組で演じ、1人が扇をもって舞い、もう1人が鼓で伴奏をして合間におもしろい言葉を入れて笑いをとっていたんだ。
このかたちが、のちの漫才につながっているんだよ。
たとえば、千秋万歳では、「太夫」と「才蔵」という2つの役に分かれているよ。
- 「太夫」…ツッコミ役。おめでたい歌をうたいながら、扇をもって舞いをまう
- 「才蔵」…ボケ役。鼓で拍子をとりながら、おもしろい言葉でもりあげる
この2人のかけ合いが、現在の漫才のルーツとなっているんだ。
時代をへて、大阪で人気になった「万歳」が、昭和に入って「漫才」と呼ばれるようになって、ラジオやテレビの普及とともに全国的に漫才が親しまれるようになったんだよ。
このように、漫才のルーツは、平安時代の千秋万歳といわれているんだ。
昔からある伝統文化が、現代の笑いに通じていることを感じるよね。
今や漫才は国民行事
現在では、M-1グランプリなどのいろいろな賞レースがテレビ放送されて、たくさんの漫才師が有名になっているんだ。
賞レースの中でも、とくに有名なM-1グランプリは、2001年にスタートした漫才の1番を決める大会なんだ。
2024年のエントリー数は、10330組で過去最高の出場者数だったんだ。
M-1グランプリの決勝戦は、視聴率も高いことから、現在では年末のおなじみの行事として広く知られているんだよ。
たとえば、
- 審査員が真剣に感想を伝えるようすが話題になって、SNSでの意見が活発になったり、
- 芸人さんが優勝後に全国的なスターになったり
- どのコンビが優勝するのか分かるとネットニュースになったり
今や漫才は、みんなの大きな関心になるイベントなんだね。
伝統文化だった漫才は、時代とともに形をかえて人々を笑顔にしているんだよ。
漫才があるのは日本だけなの?
海外では、日本の漫才のようにボケとツッコミの役割分担がはっきりしていて、独特なリズム感をもったコンビ芸はとてもめずらしいんだ。
たとえば、海外では…
- 1人でステージにあがってしゃべりまくる「スタンドアップコメディ」というかたちが中心
- 英語では、ボケとツッコミをぴたりと当てはまる表現をすることがむずかしい
- おもなネタは、政治や人種など
日本の漫才は、あつかうネタも幅広いし、ボケ役がボケる分だけ、ツッコミ役がそれをうまくまとめてくれるから、笑いの幅が大きいのも特徴だよ。
だから、日本独自で発展しているボケとツッコミに分かれたコンビ芸は世界ではめずらしいかもね。
漫才とスタンドアップコメディは、まったくちがうエンターテイメントだけれど、日本の漫才は世界に誇れる文化だよね。
まとめ
- 漫才のルーツは、平安時代の千秋万歳がはじまりだった
- ボケとツッコミに役割分担された日本独自のコンビ芸は世界ではめずらしい
はるか昔の平安時代の笑い文化が、独自に発展して、現代でも人々の笑いに通じているなんて、とてもステキなことだよね。