政治家としてはたらくためには、とてもたくさんのお金が必要なんだ。
このお金のことを政治資金と呼ぶよ。日本をより良くするために使うお金だね。
政治資金には、その政治家を応援している個人や企業からもらう「献金」と、その政治家が入っている政党を通して税金を受け取る「政党交付金」があります。
この政治資金のしくみや政治家としての権力を、自分がいい思いをするために悪いことに使う人たちがいたんだ。
こんなふうに、不正にやりとりされるお金のことを「裏金」と呼ぶよ。
政治とお金にまつわる問題は、ずっと前から続いているんだ。
ロッキード事件
ロッキード事件は、1976年に起きた「戦後最大の汚職」ともいわれるとても大きな事件だよ。
汚職というのは、自分の持つ権利を悪いことに使ってお金や品物を手に入れることだよ。
飛行機を作っているアメリカの会社「ロッキード社」が、「たくさんお金をあげるから、自分の会社が作った飛行機を使ってください」といろんな国の政治家に裏金をわたしたんだ。日本でも裏金を受け取ったたくさんの政治家が逮捕されました。そのなかには元総理大臣だった人もいて、世間は大さわぎになったんだ。
リクルート事件
1988年に発覚したリクルート事件は、日本で政治とお金にかんする法律がつくられるきっかけになった事件だよ。
株式会社リクルートが自分の会社をひいきしてもらうために、政治家や官僚、マスコミといった強い立場や権力を持った人たちに自分のグループ会社の未公開株を配ったんだ。ここでの未公開株は、普通の方法では手に入らないとても高く売れるチケットだと考えてね。
たくさんの人や会社がこの未公開株を受け取っていたことがわかって、責任をとって社長が辞めたり、当時の総理大臣が辞めたりしたんだ。
東京佐川急便事件
東京佐川急便事件は、当時の政治家が何人も逮捕・辞職した事件で、暴力団がからんでいたといわれているよ。
暴力団は「やくざ」や「極道」とも呼ばれる人たちで、相手をおどしたりケガをさせたりして市民に危害をあたえたり、不正な方法でお金を得ていると言われているんだ。
東京佐川急便から暴力団や暴力団に関係のある会社へ、およそ5000億円ものお金が流れていて、そのほとんどが取り返せませんでした。
このお金の動きを調べた結果、当時の政治家にも裏金がわたされていたのがわかったんだ。
その人たちはうったえられて、責任をとって政治家をやめることになったんだ。
西松建設献金問題
西松建設株式会社が、ニセモノの政治団体をとおして政治家に献金をしていた事件だよ。
政治家に直接献金すると法律違反になるから、ニセモノの政治団体にお金を寄付するふりをして、裏でこっそり政治家へわたしていたんだね。
この事件にかかわった西松建設の社長や政治家の秘書のほか、ぜんぶで5人が裁判で有罪になりました。
パーティー券キックバック問題
献金のかわりに政治資金を集める方法としてよく行われるのが「政治資金パーティー」だよ。
パーティーに参加するための「パーティー券」を買ってもらって、そのお金を政治資金にするんだ。
キックバックは、「品物を売ってくれたお礼に売り上げの一部をあげます」という約束をして支払われたお金のことだよ。
パーティー券をみんなに売った政治家に対して、最初に決めた枚数より多く売ったぶんのお金をキックバックしていたんだ。
このキックバックしたお金はどこにも知らせず、もらった政治家がこっそり自分のおこづかいにしているとわかったから、裏金を作っていたとして大きな問題になっているよ。
まとめ
政治資金は、献金やわたしたち日本国民の税金から払われているよ。
みんなから集めた日本のためのお金を自分のために無駄づかいするのはとても悪いことだよね。
政治資金は、どこからもらったお金で、なんのために使ったのかがわかるようにする「透明性」がとても重要なんだ。