ゲームで遊んでいてとちゅうでやめるとき、そこまでの内容を「セーブ」しますね。この時、ゲーム機には「セーブデータ」という情報が保存されます。
このセーブデータなどの「データ」、ゲーム機は電気を使って記録します。どうやってでしょう?

壁のスイッチを考えてみましょう。スイッチをオンにすると部屋の電球がついて、オフにすると電灯が消えますね。この時、電気が流れている「オン」と、流れていない「オフ」が切り替わっています。
ゲーム機やパソコン、スマートフォン(コンピューターと呼びます)の中には、電気をためておける「メモリー」という場所があります。
ここにはたくさんの電球が並べられていて、コンピューターはこの電球をあるルールにしたがってオンにしたり、オフにしたりしておきます。これを後で見返すと、なにを記録したのかを思い出すことができ、セーブしたところからゲームを再開できるというわけです。(本当に電球があるわけではなく、電気の「信号」をためておける場所があります。)

では、電気のオンとオフだけでどうやって、ゲームのそれまでの内容を残しておけるのでしょう?
それには、文字や数字、画像や音楽、動画など、あらゆる情報をこの電気の信号に変える必要があります。
電気の情報は「デジタルデータ」
今登場した電気の信号のことを「デジタルデータ」といいます。デジタルというのは「数字の」という意味で、数字だけの時計のことを「デジタル時計」なんていいますね。

コンピューターでは分かりやすいように、電気のオンを「1」、オフを「0」と言いかえて使います。この0と1のことをデジタルデータといいます。
文字をデジタルデータにしてみよう
では、情報をデジタルデータに変える方法として、まずは文字についてを紹介しましょう。
この文字はなんて見えますか?
あ
ひらがなの「あ」と見えます。でも実はこれをコンピューターは「1000001010100000」と記録しています。「い」は「1000001010100010」、「う」は「1000001010100100」です。いっぱい、1と0が並んでいてクラクラしますね。
でも、よく見比べると、最初の方は同じ数字なので実は変わっているのは最後のところだけ。
あ | 1000001010100000 |
い | 1000001010100010 |
う | 1000001010100100 |
ちょっとずつ数字が違っていますね。これはいわば「背番号」。

例えば、野球やサッカーをするとき、選手が見分けられるように「背番号」をつけます。あの背番号、同じチームの中に同じ数字の選手がいたら、見分けがつかなくなってしまいますね。そこで、同じ数字にならないように分けます。実は、デジタルデータの文字もこれと同じ事をしています。
つまり、「あ」という文字に「000」という数字を使ったら、「い」には「010」、「う」には「100」と別の数字を使っていけば、全部の文字を見分けられるようになります。
ただ、みんなが好き勝手に決めてしまったら大変です。そこで、「みんな同じ番号を使いましょう」として「文字コード(コードというのが、見分けるための数字のこと)」というものを決めました。
今のコンピューターでは「Unicode(ユニコード)」という文字コードが使われています。この文字コードには、日本語のひらがな・カタカナ・漢字はもちろん、英語のアルファベット、中国の漢字、韓国のハングル文字など世界中のさまざまな文字のコードが決められています。このおかげで、私たちは世界中の人たちと電子メールなどでメッセージを送り合うことができるのです。
コラム
他にもある文字コード
文字コードは、ユニコードの他にもいろいろな種類があります。
アスキー(ASCII)コード
一番古い文字コードで、英語のアルファベットや記号しか決められていません。
ジス(JIS)コード・シフトジス(JIS)コード
日本語用の文字コード。今も古い日本語用コンピューターなどで使われています。
これらの文字コードは、古いコンピューターなどで使われている場合があります。
デジタルデータの単位は、ビット、バイトとギガ
「あ」という文字は「1000001010100000」という数字に置き換えられて記録されています。この時、このデータの量は「16ビット」と数えます。「ビット」というのは、データの単位で、長さの単位が「メートル」、重さの単位が「グラム」なのと同じく、デジタルデータの単位は「ビット」と数えます。「あ」の文字は16個の数字が並んでいたので「16ビット」になるというわけです。
データの量は、増えてくると単位が変わります。
大きさ | 単位 | 書き方 |
---|---|---|
1 | ビット | bit |
8ビット | バイト | byte |
1024バイト | キロバイト | KB |
1024キロバイト | メガバイト | MB |
1024メガバイト | ギガバイト | GB |
1024ギガバイト | テラバイト | TB |
1024テラバイト | ペタバイト | PB |
表のように、1ビットが8個集まると単位が変わって「1バイト」になります。なんで「8」なんていうハンパな数なのかは、別の記事で紹介します。
続いて、1バイトが1024個集まると、「1キロバイト」になります。これは、1,000メートルが1キロメートルになるのに似ていますね。後は、1024ごとにメガ・ギガ・テラ・ペタと単位が変わります。例えば、1ギガバイト(GB)はどのくらいのデータ量があるかというと・・
1ビット × 8 × 1024 × 1024 × 1024 = 8589934592(約85億!)
コラム
小さな単位も覚えよう
大きな単位を学んだので、合わせて小さな単位も覚えましょう。
例えば、1秒に対して1000分の1秒は1ミリ秒。1000分の1ミリ秒が、マイクロ秒、その後「ナノ」「ピコ」と続きます。