新型コロナウイルスはどうして変化していくの?

2021年12月、日本ではようやく新型コロナウイルスが落ち着いてきている状況ですが、世界では「オミクロン株」という新しいコロナウイルスが登場して、大騒ぎになっています。

この「オミクロン株」とは一体何なのでしょう? なぜ、新型コロナウイルスは変わっていくのでしょうか? それには、ウイルスとはどういう存在なのかから知る必要があります。

ウイルスとは何か

ウイルスというのは生物の中でも非常に小さな「微生物びせいぶつ」の1つで、私たち人間や動物の中に入って生きています。

では、さらに今度は「生物」について考えてみましょう。生物というのは、いつか必ず死にます。そのため、自分の子どもや分身を作って、自分たちを残そうとします。これを「種族保存本能しゅぞくほぞんほんのう」などと呼びます。

ウイルスも同じで、自分を少しでも残そうと自分のコピーを作って増やそうとします。ただ、ウイルスは残念ながら、自分自身では増えることができません。動物や人間に入り込んで、その「細胞さいぼう」の中でしか増やすことができないのです。こうして、人間の中に新型コロナウィルスが入り込んだ状態を「感染かんせん」と言います。

遺伝子は変化する

生物は「遺伝子いでんし」というもので作られています。私たちの身体も、たくさんの細胞があり、さらにその細胞の中に遺伝子があって、私たちの身体ができあがっているのです。そして、お母さんとお父さんの遺伝子を組み合わせることで、子どもが生まれます。

ウイルスの場合は、自分の遺伝子をそのままコピーすることができます。ただし、コピーをするときにまったく同じようにコピーできずに、少し変化してしまうことがあります。これを「遺伝子変異いでんしへんい」といいます。

遺伝子変異をすると、ウイルスの特徴が変わっていきます。例えばその変わり方が、うまく生きられないような変化のしかただったりすると、そのウイルスはそのまま死んでしまいます。また、それ以上コピーできないような能力になってしまった場合も、それ以上増えることはできません。

しかしまれに、コピーに失敗したことで「強く」なれる場合があります。これが、「変異株」と呼ばれる新しい新型コロナウィルスです。

強いウイルスってどんなもの?

では、強いウイルスとはどのようなものでしょう? 先ほどの通り、ウイルスにとって大切なのは「自分のコピーを作れること」です。そのため、動物や人間に入り込みやすくて、死ににくく、コピーを作りやすい能力があると「強い」ウイルスになります。

人間には、あらかじめウイルスなどの敵を倒す「抵抗力ていこうりょく」というものがあるので、例えば熱を出したりせきをしたりなどで、ウイルスは追い出されてしまいます。これらに対抗できる能力を持ったウイルスが強いウイルスになるため、人間はより感染しやすくなってしまいます。

ただし、弱くなるのもウイルスの特徴

さて、今回のオミクロン株といわれる新しい新型コロナウィルス。12月4日現在では、日本でも2人ほどの感染が確認されていますが、まだ日本の中で広がっているという情報はありません。今後、これが広がっていくのかどうかが心配されています。

ただ、1つ良い情報になるかも知れないのが「重い病気にはならないかもしれない」と言われている点です。

私たちにとって、ウイルスで最も怖いのが「重症化じゅうしょうか」という、重い病気になってしまうことです。例えば新型コロナウィルスの場合は、「肺炎」という非常に重い病気になって、息ができなくなって死んでしまうと言う事があります。

ただ実は、ウイルスにとって人間や動物が死んでしまうというのは良い事とは限りません。なぜなら、自分自身も一緒に死んでしまうためです。ウイルスにとっては「入り込んだ人間が、ずっと風邪のような症状のままでいてくれること」だったりします。

そのため、あまりに強いウイルスは広がらずに死んでしまうのです。そのため「病気は軽いウイルス」というのが「強いウイルス」になります。これを「弱毒化じゃくどくか」などと言います。

オミクロン株は、幸いこの「弱毒化」が進んでいる可能性が考えられていて、感染をしてもそれほど重い病気にはならないかもしれないことが期待されています。とはいえ、感染しないことが一番大切なので、手洗いうがいとマスク。この感染予防はずっとがんばって行きましょう。

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