お子さんの宿題で、漢字練習が出ることは多くあると思います。
かなり時間がかかりますし、大変な内容だったりしますよね。
- 漢字練習にはどんなメリットがあるのだろうか。
- 学ぶときの注意点を知りたい
そんな風に考えている方も多くいると思います。
この記事では、元教員の立場から漢字練習について詳しく解説をしていきます。
3分程度で簡単に読むことができますので、ぜひ見てみてください。
漢字練習のメリット
退屈に感じがちな漢字練習ですが、実際はたくさんのメリットがあります。
以下に具体的な内容を挙げました。
観察する力がつく
1つ目は観察する力が身につくということです。
漢字を学習する際には、とても細かい部分までよく見て勉強をする必要があります。
たとえば、「土」という字と「士」は形がよく似ていますが、上と下の長さが異なっています。
また、「とめ・はね・はらい」についても細かいところまでよく観察しなければいけません。
観察する力が必要なのは、国語の学習だけに限ったことではありません。
理科でも観察の時間はあります。虫や植物などを細かく見ることはとても大切ですね。
また、観察力があれば日常のことについていろいろな疑問がもてるようになります。
子どもが自分で疑問をもてれば、積極的に学習していくようになるのです。
社会に出たあとも、他人の服装や様子などに気付ければコミュニケーション力もアップしますよね。
観察力は、長くにわたって多くの面で役立つのです。
簡単に意味を伝えることができる
漢字は1文字あるだけで、たくさんの意味を伝えることができます。
便利さという面でも、かなりのメリットがあると考えて良いでしょう。
たとえば、「今年の漢字」が年末頃に発表されていると思います。
たった1文字ですが、見た人は1年間がどんなものであったのかを簡単に想像することができます。漢字ならではの良さと言えるでしょう。
仮に、1年間を文章で伝えるとするとかなり難しいですよね。長文を読めない人にとってもよく意味がわからないと思います。
しかし、漢字1文字であれば簡単に伝わります。
インパクトもありますし、幅広い人に伝えることもできるでしょう。
造りから意味が考えられる
まったく知らない言葉を、1から覚えるとなると大変だと思います。
言葉の意味を頭に入れるのは、かなり苦しい作業だったりします。
漢字には「造り」があります。特に、同じ「へん」であれば意味が似ていることも多いです。
たとえば「にんべん」がついているものは、人に関する漢字が多いです。
「くさかんむり」がついているものは、自然に関する漢字が多いです。
意味を簡単に推測できるようになるのです。
自分が予想した読み方がぴったりあっていれば、やる気も出ることでしょう。
造りから意味が推測できれば、スピーディーに勉強ができます。学習効率も上がりやすいのです。
また、勉強する人のモチベーションも高くなりやすいです。
文を読みやすくする
文を読みやすくするのも、メリットの1つです。
例えば、すべて平仮名の文章はとても読みづらいものでしょう。
ためしに、親御さんが子どもに平仮名だけの手紙を書くのも良いかもしれません。
漢字を学習することで、文が読みやすくなり意味のまとまりなども分かるようになるのです。
また、ひらがなだと2つの意味をもってしまうことがあります。
例えば、「くるまでまとう」とひらがなで書いた場合「車で待とう」「来るまで待とう」という2つの意味がでてきます。
漢字がなければ、文の意味を正しく伝えることができないのです。
漢字練習の注意点
では、漢字を学習するにはどんなことに注意すれば良いのでしょうか。
基本的には、次の点に気をつけるとかなり良い学習ができるようになります。
参考にしてみてください。
続けて書く
当たり前ではありますが、続けて書くことがとても重要です。
1回書いただけでは漢字を覚えることは難しいですよね。何回も書くことで自分の中に定着させることができるようになります。
しかし、注意が必要なのは無意味に何回も書かないということです。同じ漢字をひたすら書き続けるだけでは良い学習はできません。
書き順やとめはねはらいなどをしたり、休憩を挟んだりしつつ効率の良い学習をしていきましょう。
また、1日だけ多くやっても意味はありません。人の記憶力はあまり良いものではないので1度覚えたとしてもすぐに忘れていってしまうからです。
1度に大量に覚えるのではなくて、毎日少しずつでも良いので自分のペースで覚えていくように心がけていきましょう。
ペナルティにしない
2つ目はペナルティにしないということです。
漢字練習を罰としてしまうと、お子さんの勉強へのモチベーションが下がってしまいます。
よくありがちなのが、漢字テストの点が低かったからといって「漢字を100個書かせる」といった苦しい課題を与えることです。
これは、余計に漢字を嫌いになってしまうので逆効果だといえます。
まずは楽しめるように学習を進めていくことがとても大切です。
今はアプリなどを使って、ゲーム感覚で簡単に学習することができますよね。
楽しめる環境を作ることで、勉強の効率も大きく上がってくるので工夫をするようにしましょう。
漢字の宿題などはかなり量が多いので、子どもも勉強のモチベーションも下がりがちです。
親が楽しめるようにすることで、より楽しいものへと変わっていきます。
子供のペースに合わせる
漢字の勉強については、個人差がとても大きいです。
書き取りが早い子はすぐに終わってしまいますし、苦手な子だとかなり時間がかかることがあります。
スピーディーに勉強ができていないと、親としては焦ってしまうこともあるでしょう。
しかし、お子さんのペースに合わせて学習を進めていくことはとても大切です。
子どもにとっても、自分のペースを崩されてしまうと勉強へのやる気がなくなってしまうことがあるからです。
特に発達障がいのお子さんなどは、漢字の学習にかなり時間がかかると思います。
親御さんは、子供の学習をしっかりと褒めて次につながる声かけをしていくことが重要です。
親子で一緒に勉強する
ある程度学年が上がってくれば、自分1人で学習をさせても構わないでしょう。
しかし、漢字練習を始めたばかりだと勉強の仕方がわからないこともあります。
学校で漢字練習の仕方を習ってはいるものの、最初は親子で一緒に勉強するように心がけましょう。
まずは「書き順をチェックして、指で書いてみて、その後ノートに書き取りをしていく。」といった正しい手順を教えることで、漢字を覚えやすくなります。
間違った方法で漢字練習をしてしまうと、なかなか覚えることができずお子さんのモチベーションも下がってしまいます。
お子さんにとっては親がそばにいるだけでも安心感につながります。
ぜひ意識していきましょう。
どこまでできたかを見えるようにする
「自分がどこまでできたのか」を意識できるのは大切です。
漢字練習の大きなメリットとしては、お子さんが達成感を感じやすいことだといえます。
漢字練習のノートには、自分が書いてきた漢字がびっしりと書かれています。
頑張りがよくわかるので、お子さんもやる気になりやすいのです。
しかし、ノート以外にも配慮できる点はたくさんあります。
たとえば、「ポスターを作って覚えた漢字に印をつける」「漢字練習帳にシールを貼る」といった工夫をすることでさらにお子さんのモチベーションに繋がるでしょう。
まとめ
漢字練習には、たくさんのメリットがあります。
練習時の注意点も参考にしつつ、お子さんが楽しみながら学習できるように工夫してみてはいかがでしょうか。