かけ算の学習はとても大切なことです。
小学校の早い段階から身につける必要がありますので、できればしっかりと教えたいところですね。
とはいえ、
- どのように指導したら良いかわからない
- 子どもがきちんと学習に取り組むようにしたい
と悩んでいる方も多いはずです。
そこでこの記事では、小学校教員としてかけ算を指導してきた筆者が教え方について詳しく解説していきたいと思います。
3分程度で簡単に読むことができると思いますので、ぜひご一読ください。
かけ算の教え方の基本
かけ算では、新しく「1つ分×いくつ分」という概念を学ぶことになります。
この考え方をいかにお子さんに定着させることが大切になるのです。
教科書などでも、イラストなどを多く使いながら興味をもって取り組むことができるように工夫されています。
例えば、教科書によっては遊園地のイラストが載っているケースがあります。
遊園地は、お子さんが興味をもちやすい上に「1つ分×いくつ分」のものがたくさんあることに気付きます。(2人乗りのコーヒーカップが3つあると全部で何人か。4人乗りのゴーカートが5台あると全部で何人かなど。)
教科書では、「1つ分×いくつ分」の概念を身につけるために多くの時間が使われています。
かけ算というと「九九」のイメージが強いですから、真っ先に教えようと考える方も多いのではないでしょうか?
もちろん九九の指導は大切ですが、最初から九九を教えてしまうとただの暗記になりやすいためお子さんが興味をなくしてしまう可能性があります。
まずはゆっくりと時間をかけて「概念」を教えていくように心がけましょう。
指導の注意点
かけ算の指導をする中で、注意すべき点があります。
それは、「たし算だと不便だから、かけ算を使うべき」という指導の仕方です。
(4+4+4+4+4だと不便だから、4×5とします。など)
便利だから覚えるというのは、お子さんにとっても大きな学習のモチベーションになります。
そのことから、学校現場でも上記のような教え方をしていることは多くあります。
しかし、指導者によっては以下のような問題点を挙げています。
- たし算と絡めると必ず増えると勘違いしてしまう。そのため、後で習う2×0.5=1などの考えが身に付きづらい。
- 2×0=2といった誤答が多くなる。(2に1度も足さないから2のまま)
たし算と絡める指導方法は多くの場所で行われていますが、教えやすい反面リスクもありますので注意しましょう。
学校現場の状況
学校現場でもかけ算の指導は大切とされていて、かなり力を入れて指導がされています。
教室に九九表を貼っているケースや、九九を言わないと教室に入れないという条件を作っている教員もいます。
私も教員としてお子さんを見てきましたが、かけ算は子供の好き嫌いが大きく分かれがちな学習です。
得意な子はどんどん自分から取り組みますが、苦手な子は教科書を見るのも億劫になってしまったりします。
かけ算指導をしていると、お子さんがモチベーションをなくしやすいのは「九九を覚える時」だと感じます。
学校では九九カードなど用意をしていて、スムーズ言えるようになったらシールやスタンプなどをもらえるということが多くあります。
この指導は、お子さんが成長を実感できますしモチベーションも上がるでしょう。
ご褒美がもらえるのも嬉しいですね。
しかし、どうしても「友達との比較」が起きやすくなってしまいます。
友達と比べて自分ができなかったり、覚えるのが遅かったりすると落ち込むお子さんが出てくることがあります。中には、「なんでできない!」「早くスタンプちょうだい!」と怒りだすお子さんもいます。
学習ペースは人それぞれなので、人と比べず楽しく取り組んでいくことが重要だといえるでしょう。
楽しく取り組めるように、家庭でも工夫をすることでお子さんのモチベーションを大きく上げることができます。
九九を楽しく覚えるために
では、お子さんができる限り九九を楽しめるようにするためにはどんな工夫が必要なのでしょうか。
以下に具体的な方法を挙げてみました。
順番を考える
まずは、九九を教える順番に注意をするようにしましょう。
7の段などの難しいものを最初に教えてしまうと、お子さんもやる気を失くしてしまいますね。
2の段は数字の増え方がわかりやすいので良いといえるでしょう。
また、5の段も一の位が5→0→5→0と交互になっているので理解がしやすいといえます。
わかりやすいものから、スモールステップにして教えていくことでお子さんが自分の成長を感じることができるようになります。
学校の友達が難しい九九を覚えていると、お子さんは不安に感じるかもしれません。
しかし、自分のペースを乱さずにできるものから着実に取り組んでいきましょう。
きっと楽しみながら学習ができるはずです。
九九の表を貼っておく
九九の表を貼るというのは多くの方が実践しているのではないでしょうか。
実際九九を目にすることが増えれば、お子さんも自然と覚えることができるようになります。
とても効果的な方法だといえるでしょう。
「リビング・お風呂場・トイレ」など多くの場所に九九表を貼っておくように心がけましょう。
シンプルなものでも効果はありますが、カラーになっていたりかわいらしい虫や動物のイラストがあることでよりお子さんの興味を惹きやすくなります。
手軽に取り組める上に効果が高い方法だといえます。
歌で覚える
お子さんが九九を覚えやすくするために、歌を使うという方法もあります。
実際に「九九の歌」というものがあり、YouTube上などでもたくさんアップされています。
学習時に流すのも良いですし、車での移動中などスキマ時間に活用することもできるでしょう。
効果的な方法なので、就学前に九九の歌を流して覚えさせているケースもあるようです。
しかし、早くに取り組みすぎてお子さんがかけ算を嫌いにならないように注意が必要です。
あくまでお子さんが楽しみながら取り組めるように配慮するする必要があるでしょう。
九九アプリを使う
九九アプリを使うのも効果的な方法です。
もともとゲームが好きなお子さんは多いので、積極的に取り組むようになると考えられるでしょう。
いろいろな種類のかけ算アプリがあり、段階に応じて指導を受けられるもの(①計算→②文章題など)やクイズになっていて楽しみながら取り組めるように工夫されているものもあります。
もちろん、アプリだけでなく教科書やプリントなどもバランスよく使う必要はあるでしょう。
しかし、お子さんのモチベーションを維持する上ではとても良いものだといえます。
百マス計算
百マス計算は、かけ算が好きというお子さんにオススメの方法です。
表に沿ってかけ算を解いていくだけなので、かなり単調なものではあります。
お子さんによっては、つまらないと感じるでしょう。
しかし、かけ算をある程度マスターしているお子さんにとっては百マス計算をしてタイムを図ることでやる気を出すことができるようになります。
何度も百マス計算をするうちに、タイムが上がってくれば自信をもつことができるようになるでしょう。
大きく成長することができます。
まとめ
お子さんに寄り添いながら、段階に合わせて指導をしていくことで「かけ算」を身につけることができるようになります。
今回の記事を参考にしつつ、ご家庭でも実践いただければ幸いです。