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特別支援級で、お金の学習をしていきたいと考えている方は多いのではないでしょうか。社会生活を送っていく上でも欠かせない内容ですね。

とはいえ、

  • 良い学習キットはないだろうか。
  • 特別支援での指導方法を知りたい

と考えている方もいるかもしれません。

そこでこの記事では実際に公立学校の支援級を担任し、特別支援学校の免許をもっている筆者がお金の学習について詳しく解説をしていきたいと思います。

お金の学習について

近年、日本でもお金の学習の大切さは高まっています。

欧米などでは株や資産運用といった本格的な内容について学んでいるのが特徴です。

どのようにお金を管理すれば良いかを知ったり、お金がどんな役割をもっているのかについて学んだりすることは大きなメリットでしょう。

特別支援におけるお金の学習は、多くの場合「社会生活」に慣れるために行われることが多いです。

もちろん「個別の指導計画」として1人ひとりに合った指導をすることが基本ですので、場合によっては上記のような発展的な内容を学ぶこともあるでしょう。

しかし、お金の計算が難しかったり実際に買い物をすること自体に困難を抱えている生徒さんも多くいらっしゃいます。

このような生徒のためにも、特別支援教育でお金の学習をすることは欠かせないといえます。

お金の学習のメリット

では、お金の学習をすることで具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。

上記でも触れましたが、圧倒的に生活がしやすくなることが挙げられます。基本的に、障がいをもつお子さんは生活する上で多くの困難を抱えていることがあります。

たとえば、感覚過敏のお子さんであれば車や電車の音を聞くだけでパニックになってしまうかもしれません。

また自閉症の障がいをもっている場合、店に買い物に行った際に行列ができているだけでパニックになることもあるかもしれません。

計画通りに物事がいかないことに強いストレスを感じるということもありえるでしょう。お金のやりとりをすることは、生活していく上で欠かせないものです。大部分を占めているといっても過言ではないかもしれません。

そういった点からも、適切にお金の指導をしていくことでお子さんが落ち着いて日常生活を送れるようになることができます。

また自分1人で買い物ができるようになれば、自信がついて自己肯定感も上がることでしょう。

特別支援でのお金の学習方法

では、実際に特別支援学校でどんな風に指導を行えば良いのでしょうか。

以下に具体的な方法をリストアップしてみました。

プリント教材

1つ目は、プリント教材を使うという方法です。

メリットとしては準備が楽ということです。特に教員の方は授業の用意をするだけでなく保護者対応や事務作業など膨大な仕事をこなさなければいけないケースがあります。

プリントであれば、印刷するだけで対応することができるのでかなり楽だといえるでしょう。ネット上でも、特別支援の先生に向けたプリントはたくさん用意してあります。簡単にダウンロードして使うことができますね。

デメリットとしては、お子さんが興味をもたない可能性があるということです。

座って黙々とプリント学習ができるお子さんであれば良いですが、ADHDなどの障害をもっている場合は勉強するのが難しい可能性があります。

お子さんの障害特性を見極めつつ、判断していく必要があるでしょう。

アプリ

お金の学習については、アプリを使って学ぶのも良いでしょう。

「お金の学習」というアプリがありますので、特別支援教育で使うのはピッタリだといえます。実際、私が勤めていた支援級でも「お金の学習」というアプリは使っていました。

ダウン症や自閉症のお子さんなど幅広く興味をもっていましたので、活用できるはずです。また、特別支援教育ではタブレットを使った学習もとてもおすすめです。

支援級の保護者の中にも、自宅でタブレットを使用させている方もいます。より役立つといえるでしょう。

注意点としては、感覚に訴えかけるものが少ないということです。タブレットを触るだけなので感触がわかりにくいといえます。特別支援教育では、感覚に訴えることがとても大切だとされています。

たとえば、100円玉の周りはざらざらしているか。落とすとどんな音がするか。などを細かく指導できない点には注意が必要です。

位取り板を使う

次に、位取り板を使うという方法です。

位取り板は金額ごとに分かれていて、そこに「100円玉・10円玉・1円玉」などを分けて入れながら数える形になります。

硬貨ごとに分けるので見やすくなり、理解がしやすくなると考えられます。

また、お金の関係性(100円は10円玉10コで出来ている。など)がわかるのでより知識も深まりやすくなります。

注意点としては、実生活の中で利用しづらいことです。

買い物の場面などで、いつも位取り板を使うのは難しいといえます。

そのため位取り板については、あくまで補助として使っていく必要があります。

慣れてきたら、位取り板を使わずに計算を行うことも大切になってくるでしょう。

買い物ごっこをする

お金の学習について理解が進んできたら実際に買い物ごっこをしていきましょう。

大切なことは、よりリアルな買い物の場を設定していくことです。

たとえば果物屋や八百屋を作るのも良いかもしれません。

それぞれ値段を書いておくことで、お子さんが自分で考えながら取り組むことができるようになります。

あらかじめ買い物の順番を書いておく(①買うものを決める②レジに並ぶ③お金を出す)のも有効だといえます。

大切なことは、とにかく楽しみながら取り組むということです。

発達障害をもつお子さんは理解をするのに時間がかかってしまうケースもあるでしょう。

そんな時はどうしても早く覚えて欲しいと焦ってしまいがちです。

しかし、教員の焦りがプレッシャーとなり買い物が嫌いになってしまう可能性も考えられます。

ゆっくりお子さんのペースに合わせながら取り組めば、しっかりと効果は出てくるはずです。

実際に買い物に出かける

買い物ごっこに慣れてきたら、実際に買い物に出かけるのもおすすめです。

しかし買い物に出ることは、発達障がいをもつお子さんにとって想像以上にハードルが高いので注意が必要です。

普段と違う環境になれば、お子さんがパニックになり問題行動を起こす可能性が増えます。

他のお客さんとトラブルになってしまったり、店の商品を壊してしまったりすることも考えられるでしょう。

このようなことを防ぐためには、支援員の数を十分に配置すること(どの支援員が誰を見るのか、しっかりと決めておく)が大切です。

また、事前学習も入念に行っておきましょう。

「どの場所にある店に行くのか・どんな交通機関を使っていくのか。」などをシュミレーションしておくことは効果があるでしょう。

お金の学習キットを使うメリット

特別支援教育で、お金の学習キットを使うのは大きな効果があります。

特別支援学校・公立学校の支援級などの現場を見てきましたが学習キットを使った指導は導入されていました。効果は高いといえます。

実物に近い教材を使うことで、学習効率を上げることができますのでより良い指導ができるようになる可能性が高くなります。

まとめ

特別支援教育で「お金の学習」をしていくことは大きな意味があります。

指導に時間はかかるかもしれませんが、得るものは大きいでしょう。

ぜひ、今回の記事を参考にしつつ学習に取り組んでみてくださいね。

この記事を書いた人

まつむし

小学校教諭6年・塾講師3年を経験後、WEBライターに転身。
教育現場にいたからこそ伝えられる温かい記事作りに努めます。